20代の住宅資金計画

住宅ローンの金利が非常に低い事や、購入時に頭金がなくてもローンが組みやすいといった理由も相まって、20代で住宅購入に踏み切る人もいます。
20代という、若い年齢での住宅購入についてメリットとデメリットを解説します。

20代で住宅購入するメリット

長期間ローンでも定年退職前に完済

20代で住宅を購入する強みは、長い期間でローンが組める事と繰り上げ返済をせずとも、定年退職前に住宅ローンの完済が可能な事です。繰上げ返済を積極的に行えば、50歳前後にも住宅ローンは完済が可能です。早期完済できれば、その後は、貯蓄や運用に資金を廻せるので、老後生活の為の資金計画が立てやすくなります。

少額な住宅ローン借入額

30代や40代の人たちと比べても、年収がまだ高いとは言えない時期に住宅ローンの審査を受けるため、銀行から借りられる住宅ローン金額は多くありません。
年収の低い時期に借りた「少額の住宅ローン」を、年収が上がって行くであろう時期に、長期に渡って返済していく為、必然的に、無理のない返済計画となります。「早く借りて、早く完済する。」
これは住宅ローンとの付き合い方では大きなメリットです。

20代で住宅購入するデメリット

ライフプランの不確定要素が強い

結婚と同時に、住宅を購入し住宅ローンを組む方がいます。
独身時代には、お互いに家賃を支払っていた二人もいます。
当然、ふたりで住むには手狭なため、引っ越しを検討するわけですが、その時に、家賃や敷金、礼金、引っ越し費用がもったいないと考えるのはよくわかります。

しかし、ふたりでの生活はこれからです。住宅購入の資金計画は「家計の出口」を基準に考えるべきもの。

ふたりの新たな家庭で、食費、光熱費、通信費、医療費、諸々にいくら必要ですか?
将来の為の貯蓄はいくらしますか?
そして、住居費にはいくら使えますか?

自分たちの住宅購入適正予算が見えないうちに、住宅購入に踏み切るのは少々危険です。

また、20代という早い段階で終の棲家を購入するには、今後のライフプランについて未定事項が多いはずです。家族構成の変化や収入の増減・転勤また転職など、将来何があるか分かりません。

返済負担比率の問題

若くして住宅を購入すると、年収対して住宅ローンの返済が占める割合が大きい傾向にあります。
将来、年収が期待とおりに増えていけば良いですが、年収が増えなければ、住宅ローン返済が家計を苦しめることになります。
そうならない為にも、住宅購入時には「頭金」に使えるだけの貯蓄が必要です。

ダブルインカム問題

若くして住宅を購入すると、共働きの「世帯年収」で住宅ローンを組むこともありますが、妻が働かない場合も想定して、住宅ローンを組まなければなりません。

  • 産休、育休の期間のローン返済は大丈夫ですか?
  • 育休後の職場復帰は可能ですか?
  • 出産前と同様の働き方、同じ年収は見込めますか?
  • 保育費用は考えていますか?

幾通りもの「ライフプラン」を検討し、どのようなケースでも資金繰りが立ち行かなくならないよう、住宅ローンは無理のない返済額に抑え、家計管理を徹底しましょう。
自分のライフプランにあった資金計画書の作成をお勧めします。
「将来を見据えた余裕のある返済プラン」と「計画的な繰り上げ返済」が20代での住宅購入を成功させるカギといえます。住み替えやリフォームなどの可能性に備え、若いうちから計画的な貯蓄を心がけましょう。


執筆者(2014年8月執筆)

中村 諭(なかむら さとし)

住宅ローンソムリエ(R)、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、貸金業務取扱主任者


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