住宅ローンの保証会社

住宅ローンを借りる際に、原則として、保証人を用意する必要はありません。
ただし、金融機関が指定する「保証会社」にお金を支払って保証人になってもらう必要があります。(「保証会社」の保証が不要な金融機関もあります。)
保証会社と保証の仕組みについて解説します。

保証会社とは

大手都市銀行などのように、その金融機関の子会社に保証会社を持つケースや、地銀や信用金庫などで、子会社に保証会社を持たず外部の独立した保証会社を使うケースがあります。金融機関によっては、取引のある保証会社は1社ではなく、複数の保証会社を取り扱っているケースもあります。

保証のしくみ

住宅ローン契約者(債務者)は、保証料を保証会社に支払って、住宅ローンの保証人になってもらいます。保証会社は住宅ローン対象の物件に「第1順位の抵当権」を設定する条件で保証します。
債務者が住宅ローンを支払えなくなった場合には、保証会社が債務者に代わって、住宅ローンの残債を一括で返済します。
この一括返済を「代位弁済(だいいべんさい)」といいますが、「代位弁済」の後は、住宅ローン債権が金融機関から保証会社に移ることとなるので、今後は保証会社から住宅ローンの返済を請求されることとなります。

保証のしくみに関するイメージ図

保証料の支払い方法

支払方法は「外枠方式」と「内枠方式」の2通りになります。

外枠方式

外枠方式とは、住宅ローンを借りる際に一括支払いをするケースです。
保証料は「融資金額」「融資期間」「個人の属性」によって決定されます。
下表は保証料の一例です。

外枠方式の保証料(元利均等返済方式の場合)
借入金100万円あたりの保証料

期間 15年 20年 25年 30年 35年
金額 1万1982円 1万4834円 1万7254円 1万9137円 2万620円

※ 上記の表は横スクロールできます

3000万円の住宅ローンを35年借りると保証料は次のとおりとなります。

2万620円×35=72万1700円

これから35年借りる住宅ローンの保証として支払う為、前払いの側面を持ちます。
つまり、繰上げ返済をすれば、保証料の一部は返金されます。
(少額の繰上げ返済の場合、繰上げ返済の保証会社の事務手数料と相殺され、返金されないケースがあります。ご注意ください。)

内枠方式

内枠方式とは、借入金利に上乗せして支払う方法です。
金利に上乗せされる利率も、0.2%~0.3%程度が多いようですが、審査結果によって0.8%となることもあります。

内枠方式の保証料(元利均等返済方式による金利0.2%の差)
3000万円の住宅ローンを35年借りた場合

金利 2.00% 2.20% 差額
返済月額 9万9378円 10万2485円 3107円
総返済額 4173万9108円 4304万3980円 130万4872円

※ 上記の表は横スクロールできます

内枠方式の保証料は130万4872円という事となります。

「外枠方式」は基本的に住宅ローンを借りる際の諸費用として、現金を用意する必要があります。
「内枠方式」は分割支払いとなるため、まとまった現金は不要ですが、支払額は多くなる傾向にあります。


執筆者(2014年8月執筆)

中村 諭(なかむら さとし)

住宅ローンソムリエ(R)、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、貸金業務取扱主任者


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